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野卯ミカ
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読書♪創作
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読むのも書くのも好きです。
【敬愛】敬称略
活字>>あさのあつこ/有川浩/京極夏彦/島本理生/西尾維新/よしもとばなな/他
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田沼×夏目

田沼嫉妬編、完結です^^
書くたびにダメになってく田沼さんにご注目。←

※前編を読んでからお進み下さいませ!→nomica.mamagoto.com/Entry/7/



 止まらなければ。
 でも、止まったらすべて終わりだ。
 追い立てられるように、また――。

 

 

 

 

ゆ め み が ち ジ ェ ラ シ ー (下)

 

 

 

 


 何度も、何度も夢の中で夏目を犯した。
 シャツを剥ぎ取り、ひんやりとした肌を辿り、この腕に閉じ込めて――。
 伝えられない思いは募り、夢想はどんどんエスカレートした。
 幼い頃の経験が原因なのか夏目は警戒心が強く、なかなか心を開かない。
 人当たりは良いし、愛想も悪くない。
 ただ、少し距離を置くのだ。
 それが、夏目の処世術なのだろう。
 そんな彼も、やっと心を許してくれるようになってくれた気がする。
 ふたりでいるときは良く笑い、互いの家にも頻繁に遊びに行くようになった。
 じっくりと時間をかけて築いた今の関係を、田沼の勝手な私情で壊すわけにはいかなかった。
 こんな夢、叶わなくってもいい。
 傍にいられるならば、それだけで――。
 しかし、そんなものは所詮建前でしかなかったのだ。
 本当は手に触れるたび、自分の胸へ引き込んでしまいたかった。
 この手でめちゃくちゃにできたなら――。
 そんな風に、心の奥底では願っていた。
 そしてその願望は、小さなきっかけで簡単にすべてを壊してしまった。
 この愚かで醜い願いが、夏目を汚す。
 なんて、おぞましいことだろう。 
 そう思っていたのに――。
 自分の口付けに頬を染め、熱い吐息を漏らす夏目に、どうしようもなく興奮している。
 もっと、もっと見たい。
 明日のことなんて、もうどうだっていい。
 たとえすべて失っても――。
 今、夏目は確かに田沼の腕の中にいる。
 


 しかし、一方で願わずにはいられなかった。
 ああ、これが悪夢ならいい。
 起きて、夏目に出会ったらすべて元通りになっていれば――。
 目を固く閉じて見ても、現実は田沼を逃がしてはくれない。
「ん、ふ……っ」
 口付けの合間に漏れる声が、掌に触れる熱が、すべては現実なのだと田沼に突きつけてくる。
 こんなこと、間違っている。今すぐやめなくては――。
 でも、どうやって?
 今更思いとどまったところで、どうやって言い訳すれば――。
 迷うたびに、逃避しようとより激しく求めれば、面白いほどに反応する敏感な肌が憎い。
 まるで無限回廊のような、終わらない悪循環が田沼を逃がしてくれない。
 このままでは、夏目との関係は完全に壊れてしまうかもしれない。
 もうこれ以上は――。
 そう思い、夏目を捕らえる田沼の手が緩んだときだった。
「……っ、田沼!」
 抗議するような声と共に、夏目の細腕が田沼から逃れ、彼を突き放した。
「あ……」
 よろけるように、一歩下がる。
「わ、悪い……おれ、」
 顔を上げられない。
 やってしまった。これで、すべて終わったのか――。
 そのまま逃げ出そうとしたとき、
「待ってくれ」
 細い指が、田沼の腕を捕らえた。
 思わずはっと顔を上げる。
「さっきの質問だけど、」
 怒るでもなく、蔑むでもない。ただ静かな夏目の眼差しが彼を受け止める。
 いやだ、聞きたくない。
 でも、この手を振り払うことができない。
 視線を逸らすことすら、困難だった。
 夏目は一瞬ためらって、しかしふっと息をついてまた田沼に向き合った。
 ――そして。
 まだ濡れている唇が、ゆっくりと開かれた。
「俺が好きなのは、田沼だよ」
 ゆるく微笑んだ夏目に、田沼は頭が真っ白になった。
「……え、」
「男同士で、おれたちは友達なのに、おかしいだろう。でも本当なんだ」
 じゃあ、また明日――。
 あっさりと手が離れ、夏目はくるりと背を向けて歩き出した。

 

 ああ、これは夢か。
 なんだか化かされたような気持ちで立ちすくんでいたけど、田沼ははっと駆け出した。
 掌に残る体温と、まだ濡れている唇が伝えてくる。
 これは、夢じゃない。
 夢なんかで、終わらせて堪るか。
「夏目!」
 手を伸ばし、細い腕を掴み、そして。
 はっと振り返った夏目をそのまま、自分の胸へと引き込んだ。
 まだ少し熱い身体が、これは現実なのだと伝えてくる。
 今伝えずに、いつ伝えるというのか――。
 一呼吸つき、意を決して田沼は口を開いた。
「……好きだよ」
 細い肩が、ひくりと震え、指先へと伝わる。
「俺も夏目が好きだ」
 やっと、言えた。
 安堵と喜びがない交ぜになり、全身を満たす。
「好きだ、好きなんだ」
 一度言ってしまうと、溢れるように言葉は零れた。
「わかった、もうわかったから!」
 とうとう夏目が根を上げて、細い腕をぐっと突っぱねた。
 白い頬がまた赤く染まっていて、いとしさが募る。
 そのまま数秒経ち、ふっと夏目が笑った。
「なんか……順番がめちゃくちゃだ」
 そんな風に言われてしまい、田沼は苦笑した。
「ごめん。正直、多軌に嫉妬したんだ」
「……は?」
 夏目がきょとんとして、首を傾げる。
「だってお前ら、本当に仲いいだろう」
 今日だって、と言うと、夏目ははっと目を瞬く。
「ああ、それは――」
 一度言いよどみ、しかし続けた。
「多軌には、なぜだかバレてたから」
「なにが」
「おれが、田沼を好きだって」
「嘘だろう!」
 唖然とした田沼に、夏目は苦笑して見せた。
「結構鋭いよ、多軌は」
 まったく、恐ろしい女である。
 田沼も苦笑しながら、自分たちのことが悟られるのも時間の問題かもしれない、とこっそり腹を括った。
 ――ただ。
 それが翌日のことであるとはさすがの田沼も思い至らなかったが、それはまた、別の話だ。


 end...


 ◇

 
 090415/091212

 
 田沼より少し上手(ウワテ)な夏目が好きだったり(^ω^)w
 春先に書いたのか……。
 脳みそが春ボケしていたに違いない。←

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