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◇
ほら、真っ白な雪を見ると。
踏みつけて、足跡をつけたくなることがあるでしょう。
そんな、感じ――。
雪 原 を 乱 す よ う に
「傷つけたい、な」
日に焼けていない白い首筋に、日差しが零れる。
彼の肌は、絹みたいにキメ細やかだ。
僕とルルーシュはいつもどおり生徒会室へやってきたのだけれど、みんな所用で出かけているようで、珍しくふたりきりになった。会長に書類整理を頼まれていたけれど、デスクワークでは正直あまり役に立たない――というか、ルルーシュ一人に任せてしまった方が早いのだ。
そんなわけで書類整理は彼に任せ、僕は彼の傍で窓の外をぼうっと眺めていた。
そしてそれは、前触れもなく、ぽつりと零れた。
まるでふっと、溢れるみたいに――。
「スザク、何か言ったか?」
律儀に尋ねながら、ルルーシュは書類から顔も上げない。
これだけ集中しているのに、他人の独り言を聞き漏らさないところは、実に彼らしい。
「ううん、なんでもないよ」
「そうか」
艶やかな黒髪に、女の子みたいに細い身体。
動作がきれいで、でも運動神経は悪くて、頭の回転は僕の何倍も速い。
そんな彼を好きだと思ったのは、最近のことはない。
本人に伝えるつもりはないし、知られたくない。
もう一生会えないかと思っていた彼と、こうして学校生活を送れているだけでもう充分だ。
――ただ。
最近、奇妙な衝動が走るようになった。
「……ルルーシュ」
手を伸ばして、首筋に触れる。
そこでやっと彼ははっと顔を上げたけれど、すでに遅い。
僕はくっと身体を曲げて、彼の白い首筋に――。
「いっ!」
歯を、立てた。
ひんやりとした首筋に噛み付いて、そのままきつく吸う。
「スザクッ、お前!」
抗議するような声――しかし、それは逆効果でしかない。
白い肌に赤い花びらのような痕が出来た。
僕は噛み付くのをやめると、花びらに舌を伸ばして、つう、と這わせた。
汗の味はほとんどしない。
ああ、だからこんなに涼しげなのか。
「……っ、待て……何、を」
普段冷静な彼が、驚きと焦りに声を上ずらせている。
ルルーシュは、本当にイレギュラーに弱い。
思わず、くすりと笑みが零れた。
顔を上げると、ルルーシュが真っ赤な顔をで僕を睨みつけていた。
「かわいいなぁ」
「……っ、お前!」
「ごめん、」
きみが、あまりにもきれいだから。
汚してみたくなった、なんて――。
言えるはずないし、絶対に言わない。
「ちょっと、いたずらしてみたくて」
「限度があるだろう!」
「ごめん、ごめん」
今の関係を崩す気なんて、さらさらないのに。
ときどき、抑えがきかなくなる。
ねぇ、ルルーシュ。
いつか僕と堕ちてくれる?
◇
090306/091214
ルルーシュの鈍さとスザクのあざとさにもえる^^^^