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顔、声、体温――。
何が最初に消えてゆくのだろう。
い ち ば ん に き え る の は
「……あっんぅ」
紫の瞳に涙を溜めて、彼は両手で自らの口を塞いだ。
「ああ、だめだよ」
声を堪えようという小さな抵抗も虚しく、スザクはあっさり彼の手を剥がしてしまった。そしてそのまま指を絡めて、シーツの上に縫いとめた。途端に睨み上げてくる抗議するようなまなざしにとろけるような笑顔を返すと、スザクは額に唇を落とした。
「もっと声、聞かせて」
「いや、だ……あぁっ、ん」
白い肌をきつく吸うと、花びらのような痕が散る。
いやらしいなぁ――妖艶な姿に、スザクは薄く笑った。
「嘘つき、こんなよがってる、くせに」
ほら、とより強く突き上げてやると、ルルーシュはまた高い声で啼く。
普段は体温が低いくせに、掌で触れる肌は驚くほど熱い。それを指先で、唇で、そして体内で確かめながら、より深く味わうように舌を這わせる。羞恥と快感で赤く染まった肌に煽られるように、スザクはより動きを早めた。それと合わせて、弾けるようにルルーシュの身体が跳ね、声が上がる。
追い討ちをかけるように突き上げながら、掌ではなめらかな肌の感触を楽しんだ。
「あぁ、う……っ、くぅ、スザ、ク……!」
悲鳴にも似た声で呼ばれてて、スザクはルルーシュの耳元に舌を這わせ、囁く。
「ね、ルル……気持ち、いい?」
弱い部分を音を立てて舐め上げてやれば、肩にすがる指に力がこもった。
「ひンっ……う、……」
快感に浮かされながらも頷く姿はひどく健気で、スザクの胸をじわりといとしさが満たす。
「答えて、ルルーシュ」
お願い――突き上げながら強請ると、消えそうな声で、イイ、と返ってきた。
そろそろ、終わらせてあげようか。
小さく笑みを零すと、スザクはぐっと腰を推し進めた。
ほどなくしてルルーシュはもはや声にならない悲鳴を上げて達し、スザクもすぐにあとを追った。
「……虚しくないのか」
ルルーシュの呟きに、スザクは顔を上げた。
「え、なに?」
「死人を抱くなんて、ばかばかしいだろう」
彼が何を言おうとしているのかわかると、スザクは苦笑した。
「……ねぇ、ルルーシュ」
呼びかけると、ルルーシュは律儀に視線をこちらに向けた。
ああ――深い、紫の瞳に囚われる。
スザクはふっと手を伸ばし、ルルーシュの頬に手を伸ばした。先ほどまでの熱はどこへやら、ひんやりとした滑らかな肌が指に心地よい。くすぐったそうに瞳を眇めながらも、ルルーシュは手を払いのけたりしなかった。そのやさしさにもたれかかるように、スザクは呻くように言葉を紡ぐ。
「僕はきみと違って、記憶力が良くないから」
――ゼロレクイエム。
順調に進行している強大なプロジェクトの最後に、待っているもの。
「せめて、この身に刻みつけておきたくて」
きれいな瞳、名前を呼ぶ声、手に触れる、感覚――すべての感覚を使って、きみを刻みつけたい。毎日顔を突き合わせ、どれほど触れ合っても足りない。きみがいない明日に、いったいどれほどの意味があるだろう。
本当は、何ひとつ失いたくなかった。
明日が欲しい――その一心で闘ってきたけれど、本当は。
「ルルーシュ、きみは」
「スザク」
スザクの言葉を遮ると、大きな瞳を悲しげに歪めて弱弱しい笑みを作った。
「本当にバカだな、お前は」
「……そうだね」
きし、とベッドが音を立てて、ふたりの影がゆっくりと重なる。
本当に、バカみたいだ。
快楽に溺れながら、スザクは唇を噛む。
ねえ、ルルーシュ。
絶対に言えないけれど――。
僕はなにより、きみを失いたくない。
だから、せめて。
...end
◇
090316/091214
スザクさんは意地悪じゃないとね!(^▽^)←